今朝の日経新聞朝刊コラム春秋の記事が「サモア」の話でしたので、すぐに反応してしまいます。
もう二十数年前になりますが、1年ほど、サモアで空港建設に従事した経験があり、とても懐かしくなりました。

サモアは戦時中、直接戦場にならなかったせいか、非常に親日的です。当時から優秀な学生や若手官僚の中には、日本に留学する機会もあったようです。中には日本でお嫁さんまで見つけてくる方も何人もいました。

以前も書きましたが、私が駐在していた頃にも既に中国からの援助は始まっており、地政学的な観点から日米欧と中国・旧ソ連との援助競争といった感じでした。
でも、青年協力隊やJICAの専門官の方々による草の根的な支援や、無償援助や円借款等による支援等で培われた絆は強いものだったと思っています。今はラグビー等でも交流が進んでいます。(体力の違いで日本は簡単には勝てませんが)。今年1月には在サモア日本大使館が開設された由。人的な絆は、物質的な絆とは違う意味合いがあるはず。両国間で、渡航も増え、人的交流も深まることでしょう。

そういえば、サモアにも南洋桜と呼ばれるきれいな花が6月頃、咲いていました。ちょうど乾季に入る頃で、朝晩は涼しく、海の見える高原にいるような気持になります。

私の職業人としての原点、サモア。 あの当時は、箱物を基点としておりましたが、今の私の仕事は、「人」「組織」が基点。その観点で、改めてあの国を見ることができたら、新たな発見があるかもしれません。


今日はメモリアルデー。亡くなった方のご冥福を心よりお祈り致します。

さて、本日の朝日新聞(東京本社版)26面に、私が関連する記事が掲載されました。恥ずかしながら写真入りです。先日の2月25日同新聞社主催で開かれた働く人のメンタルヘルスセミナーで発表させていただいた内容を記事にまとめてもらったものです。
 「新型うつ」に対して、組織としてどのような対応が必要かお話致しました。「新型うつ」の特徴を図を使って明らかにして、「組織の公平な対応」がいかに重要かをお伝えしました。

ポイントは、新型うつの方に対しては、精神科医の先生方は疾病の部分は快復させることができるものの、本来の仕事に対する考え方、倫理観、性格傾向、業務上の能力等の元々未熟な点、偏った点は、休んだからといってまずは簡単に変わらないという点です。不十分なまま復職すると周囲への影響も大きい(周囲が疲弊しかねない)、だから組織は公平な観点で対応を決める必要がある、というものです。
それには心身の健康情報の一元管理、適切な範囲での情報共有も有効です。

ご希望の方は、2月25日の講演資料はPDFにてお送り申し上げます。どうぞ私宛、ご連絡下さい。




息子もようやく3歳半になりました。 
この歳になると、いろいろと話できるようになり、トイレも一人で行けます。(でもお尻はまだ自分で拭けませんww)
保育園では既に一番大きな子達と同じクラス。認証保育園なので、元々2歳児までが多く、その上、公立に空きができると移っていったり、3歳過ぎると幼稚園に入るお友達も多いからかなと思っています。

母親へのリスペクトはどんどん高まっているのですが、親父に対しては同等の気持が強いようです。また先日のバレンタインデーのように、母親が父親の為に手作りチョコを準備したりすると、ライバル心を燃やして妬いてきます。立場が違うんだから、と言っても、そこまでは理解できないようです。

そんな息子も、休日の夕食前は「今日はパパと寝る!」と言ってくれます。でも一緒にお風呂に入り、ご飯を食べ8時を過ぎると、眠たそうな眼をしながら、「ママ、一緒に寝たい」 決して親父の布団には来ません。

来月には妻は出張で何日か家を空ける予定。その時は親父と寝るのか、健気に一人で寝るか・・・ 

ちょっと楽しみです!



またまた久々の更新となってしまいました。申し訳ありません。

昨日、たまたま警察庁の資料を調べていたら、先月(2013年1月)の自殺者数が増加傾向にあることが判明。昨年同月比で6.7%増、前月比(2012年12月比)だとなんと19.2%増です。
せっかく、年間の自殺者数が15年ぶりに3万人を割ったのに大変なことです。

自殺者減少の理由として、内閣府は「分析には時間がかかるが、経済状況の改善も一因」(自治通信社報)と発表したばかり。 昨年末の衆院解散以来、日々株高、円安は進み、景気回復期待が高まるはずなのに・・・・

自殺の理由には、健康上の問題、経済的不安、人間関係等がよく取り上げられています。景気の回復期待は経済的不安の解消、それはギスギスした人間関係を少し緩める、といったことにつながるような気もしますが、すぐにはそうもいかないようですね。

1月の数値が、たまたま異常値でありますように。今月の数字も本当に気になります。







また、久々の更新となってしまいました。申し訳ありません。
今回は、9月15日に開かれました、日本EAP協会の年次総会ならびにシンポジウムのご報告をさせていただきます。

今回は、これまでにないシンポジウムにしようと、この分野の最前線でご活躍の先生方に基調講演やシンポジストをご依頼しました。先生方からは、各々の立場からすばらしいお話をいただき、当協会会員や参加者は強く刺激をされたようです。

基調講演は、産業医大森先生から、日本のEAPや専門家の品質維持・管理の重要性を米国の事例とも比較いただきながらわかりやすくご解説。

続いてシンポジストの皆様にもご登壇いただきました。
まずトップバッターは、シード・プラニング社研究員の松田先生。EAPや産業保健分野で市場を俯瞰・分析する随一の力をお持ちの先生です。EAP業界や周辺領域の現状ならびに今後の展望について、客観データから丁寧なご説明。非常に納得感のある講演でした。

続いて産業保健スタッフ、特に産業医のお立場からスタンレー電気池上先生より、社内での産業保健活動で、実際にEAPにお願いしていること事、お願いしたい事、ここが課題!といった具体的なお話をいただきました。ご指摘事項の的確さはこれまでにないほどでした。

シンポジスト3番目は、元住友金属保健師の栗岡先生から。外部EAPとともに築き上げた社内メンタルヘルス対策、人材教育体制をベースに今後のEAPの方向性を示していただきました。MBAを取得し、現在は博士課程で研究を深めているお立場からも、現況を踏まえたとても興味深い内容でした。

ト リは、医師・産業医のお資格を持ちながら、コンサルタントとして大活躍の産業医大ソリューションズの亀田先生から。現在、経営者、人事等へのコンサルティ ングや管理職教育を仕事のメインとしながら、実際にニーズがどのように拡がってきているか(日本でもいわゆるブロードブラッシュが起こりつつある)の解説。今は、コンサルタントとして仕事をし、医師とか産業医として名乗ることもほとんどない、とのお話に、亀田先生の飛びぬけた先進性を実感しました。

会場からも様々なご質問・ご意見をいただきました。
今後EAPが必要とされる知識にかなり広がりがでるのではないか? それに対するシンポジストの答えは心理学だけでなく、経営学、法学等の分野の知識がいかに必要となるか云々

協会への要望も寄せられました。会員や参加者の意見・情報交換・共有の場をどんどん増やしてほしい。
今年度は研修会+交流会といった形で、その機会を設けることになりました。
懇親会も、例年以上の盛り上がり。あちこちで中身の深い会話が為されていたようです。これもシンポジウムの成果のひとつでは?と思っています。

日本EAP協会では、現在「日本型EAPの定義づけ」の検討も進めています。近いうちにまとめ、何らかの形で皆様にもご報告できればと考えています。
更新に1年以上間があいてしまいまして、申し訳ありません。
今日は31度を超える気温となるなど、夏らしい日々となってきました。

今年の私の関心事は、「感情労働」です。
「頭脳労働」「肉体労働」に続く3つ目のカテゴリーとして以前から看護の世界、電話オペレーター、客室搭乗員の世界を中心に研究が進められている概念です。

「感情労働」は自分の感情を犠牲というより、提供することを前提とする業務形態を指します。

これは実は、最近の企業では、管理職の皆さんが普段から強いられていることかもしれません。
私の考え方の根本には、いかに管理職に自由に働いてもらうかが企業や日本を再生する原動力だというものがあります。部下からの突き上げ等への対応もこの感情労働の観点で考えるとよく見えてきます。

感情労働に対しては、基本的にはどう受け止めるかというのが議論のポイントだったようです。

今は、しっかりといかに毅然とした態度を取るかになっているような気もします。

毅然とした態度を取るのは非常に難しいですが、まずは周囲の人と倫理観を共有するのが
一番だと思います。




この4月から2歳前の息子が保育園に行き始めました。
毎朝の「送り係」が私の仕事です。

最初は行っても、ここはどこ?皆さん誰?といった感じでした。今は保育園への道中ではむずがることもあるものの、着いた途端に笑顔に変わり、先生やお友達に元気に手を振るほどになっています。

ただ、これまでほとんど熱が出たことはなかったのに、集団生活に入ると早速様々な洗礼を受けました。その為、せっかくの保育園もお休みばかり。これも社会に出る際の最初のステップなのでしょう。

息子と2人で自転車に乗る保育園までの道のりは、私にとって珠玉の時間です。息子も母親以外にも、もうひとり父親という親がいることをようやく気づいてくれたようです。パパ、パパと呼んでくれるようになっています。バスや電車を見ると興奮してオヤジのことなぞ忘れてしまう息子ですが、その笑顔を見るだけで私は満足。

この気持を知って、人と人との距離感というものの本質がわずかながらわかってきたように思います。
また、更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。
東日本大震災で被害を受けた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
3月11日から、2ヶ月近く経ちました。地震や津波よる被害だけでなく、原発の問題もまだまだ大きくのしかかっています。
そんな中で、うれしい励ましも。
Japan is rich in resilience
(日本には復興する力がいっぱいある!)
 
震災直後にFinancial Timesのフロントラインとして掲載された記事です。

私が主宰するワークショップロブでは、特別編として下記をテーマに緊急開催することに致しました。


【テーマ】「見えない不安」への対応と「組織のレジリアンス」(仮題)

首都圏は落ち着いてきたとはいえ、原発事故の影響、頻発する大規模な余震、直下型地震の可能性といった心理的な「見えない不安」にさらされています。

今回は、「見えない不安」に備えつつ、この未曾有の危機から復興(レジリアンス)すべく、震災後の対応を精神医学、労務管理、組織マネジメントの観点から考えます。

【プログラム】

(第1部)「見えない不安」にどのように対応するか
 □被災者の心理・対応
 □見えない不安への対応
 □個人の心理及びその対応(類型化)
  ・以前同等の経験をした人(フラッシュバック等)
  ・心理的に不安定な人
  ・一般的な人

(第2部)非常時に強い組織作り「レジリアンス」とは
 □震災時の労務管理の課題と対応
  事例:ボランティア支援時の対応
     ボランティア休暇規程のポイント
 □非常時のリーダー・フォロアー
 □組織の求心力/自助、互助、共助
 □組織へのコミットメントの醸成→復興力へ

お席にはまだ余裕がございます。お申込みをお待ちしております。


○懇親会のご案内(同日21時~22時30分:会場ビル地下1階)

大野先生や参加者皆様の交流の場として、ワークショップ後に懇親会を開催致します。

これまでも大野先生との直接のお話や、他社の人事・総務担当者の皆様との意見交換ができた、とのことで大変好評をいただいております。奮ってご参加下さいませ。(懇親会は当日申込みも可能です)


===【詳    細】===


○ワークショップロブ 特別編

[テーマ] 「見えない不安」への対応と「組織のレジリアンス」(仮題)

[講 師] 大野孝浩先生(労働衛生コンサルタント・精神科産業医)
     前田一寿(株式会社ロブ代表取締役社長)

[開催日] 平成23年5月27日(金)

[時 間] 18時~20時30分

[会 場] ベルサール八重洲(http://www.bellesalle.co.jp/bs_yaesu/)

     東京都中央区八重洲1-3-7
     八重洲ファーストファイナンシャルビル(受付3階)
     「日本橋駅」A7出口 直結(東西線・銀座線・浅草線)
     「東京駅」 日本橋口 八重洲北口 (JR線・丸ノ内線)

[参加費] 1人5000円

[詳 細] 弊社ホームページをご覧ください。(http://lov.co.jp/wsl/index.html)

[申 込] (HPからの申込み) 弊社ホームページのメールフォームより、お申込み下さい。
http://lov.co.jp/wsl/index.html
また、本当に久しぶりの更新となりました。
時々覗きに来ていただいている皆様、申し訳ございませんでした。
最近、新しいプロジェクトをいくつか立てており、その準備で忙しくしておりました。近いうちにその内容も皆様にもご披露できればと思っています。

さて、先週末、私が社会に出て初めて配属された部署の同窓会が開かれました。当時の課長さんはじめ、1984~5年に同部署に居た10数人が参加。この顔ぶれで集まったのは20数年ぶりです。
よく考えてみると、課長が当時42~3歳。その次はグっーと離れて入社4~5年目の方がリーダー、つまり26~7歳。そして3年目から新入社員が課員として10数名。うち半数は女性社員。非常に若い組織でした。その時の男性陣は、ほとんど1~2年のうちにアジアやオセアニアに海外赴任してバブル期を迎えました。まさしく「強い」日本を体感しました。

まだ入社したてで、生意気だった私は、いろいろと周囲に迷惑ばかりかけていました。極めつけは、高田馬場のさかえ通りで、大トラをやり、警察に保護されたこと。その時はさすがに課長から大目玉。会社には始末書提出。ご迷惑をかけた方々には菓子折りを持ってお詫び。本当にバカなことをした、親に申し訳ない、という気持で押しつぶされそうでした。それが今から20数年前の2月中旬です。

課長は、「そんなこともあったかねえ。」と笑っていました。
その笑顔のお陰で、私の「辛い」過去は、懐かしい「思い出」に変わりました。

過去をどう受容するか。それは、その方のストレスを受け留める、そこから快復していく力にも関係しています。自らの過去・現在・未来をどう享受し、どう考えるか、という時間的な展望はその方の成熟度合いが増すとともに改善されるともいわれています。

20数年ぶりの同窓会で、私も少し成熟できたようです。


追伸.
先ほどの「大トラ」のお陰で、私は西サモアという南海の楽園に駐在することになりました。(決して「島流し」ではありません) 
サモアは自分でも行きたかった国でしたから、本当によい「思い出」です。 

今の住まいが高田馬場。あのさかえ通りを毎日通勤しています。時々学生が酔い潰れて道端や神田川の橋の上で寝ています。その姿を見て、自分の戒めにしています。(介抱はしません)

親には「大トラ事件」は、ひとことも言えず、最近になってようやくComing outしたばかりです。








最近、気になっているのが「意」という漢字です。
意思、決意、発意、意地、意気・・・といろんな場面で使われます。
この中で、「意地」「意気」といったあたりに関心があります。

先日、ある企業の経営陣のお一人からお話があったのが、
「厳しい環境であっても、『大丈夫です。見ていてください。』と言い頑張る。それが管理職の意地というものですね。」
私達は、組織ごとにOCB(Organizational Citizenship Behavior:組織の中での市民行動、つまり積極的に社員ひとりひとりが行動を起こすこと)の度合いを客観的に測定してきました。それを組織改善プログラムの結果変数として、業績に最もつながる変数として重視してきました。
 これらは組織論の観点で見るとチームビルディングの重要な要素のひとつだと考えています。この経営陣の方はこれを「意地」という言葉で表現いただいたようです。
マネジメントの手法や技術だけでなく、この「意地」という想いをどう次の世代に伝える、植えつけていくかが、上位者の重要な仕事のひとつだと改めてお教えいただきました。

また、ある組織の創業記念パーティでのお話。次の経営者になる方がとても感動的で心を打つプレゼンテーションをされました。何か「人生、意気に感じる」ものがありました。
この方はまだまだお若く、まさに新進気鋭。
しかしそれまでの経営者(先人)が様々な危機発生時に何を考え、何を行動に移したかを過去の役員会議事録等から読み取り、自己の糧にしているとのこと。これらを通じて経営者としてのDNAも受け継ぎつつあるようです。

意地、意気、に共通する「意」の文字。電子辞書によると
「1.おもい、こころ 
 2.おもう、かんがえる」
といった意味です。
おっと、ここにも「意」の字が出てきました。

また「意」への関心が深まります。